エストニア料理とは、なにか?

エストニア料理とは、なにか?

1ヶ月半ほどの滞在中に、「いったい、エストニア料理とはなんだろうか?」と日本人やその他外国人はもとより、当のエストニア人からもこの話題が出てきました。
エストニアはドイツ、ソ連、スウェーデンからの侵略を経てようやく独立した国ということで、上記の国々や特に距離が近い北欧の食文化が大きく影響しているので、エストニア料理として食べているものでも「これってロシア料理かな?ドイツ料理じゃないの?」などということは多々あります。

とあるエストニア人に、エストニア料理と定義する要素とはどんなことなんだろうと逆に質問を受けたことがありました。外国から来てエストニア料理とは一体なんなのか・・・そこで、外から見たエストニア料理の構成要素を考えてみました。

・ライ麦パン(leib)
エストニア料理とは何かと聴かれて、この食べ物を避けることはできません。
エストニアのライ麦パンはライ麦粉が使われています。北欧、ロシア、ドイツや周辺諸国にもありますが、それとは違う独特の味わいがあります。一般的には他国のそれと比べると甘みが強いことが多いパンです。また、麦の粒、シード類を混ぜたものも多くバリエーションに富んでいます。
味の幅もあり糖分を一切入れずに作るもの、肉や魚などを混ぜたものなど地方色もかなり濃く出てまいります。また、ライ麦を使わずに色だけが黒糖やブラウンシュガーを使っているパンでもleibと呼んでいる事例もあり、驚きました。この場合は黒色のパンについても、便宜上leibと呼んでいると考えます。

カッテージチーズのデザート

・乳製品
エストニアは牧場が数多くあり、古くから乳製品を使って栄養を取っていたため、現在もエストニアの食品は乳製品が多いです。例えば、サワークリーム、カッテージチーズ、生クリーム、ケフィア、牛乳、ヨーグルト、チーズ、バター、コフケ(カッテージチーズをチョコレートコーティングしたお菓子)はスーパーに相当の種類が陳列されており、初めにエストニアのスーパーに行かれるとびっくりすると思います。また、価格も日本の製品に比べてずいぶん安く、手に入れやすいです。
乳製品でできた料理、デザートはエストニア料理、乳製品を使った料理はエストニア料理に欠かせない一つの要素です。乳製品をソースに用いるとまろやかな味になり、このまろやかさはエストニア人が大好きな味だと思います。

・じゃがいも
エストニアは日本の北海道以上に寒い土地です。じゃがいもは保存が長く効き、昔から育てられ重要な食料として活躍しています。
エストニアはじゃがいもをまるで主食のように肉、魚の添え物として登場させます。じゃがいもはメイン料理の中に必ずと言っていいほど入っているので、メインを頼んだ時にはかなりお腹がいっぱいになるパターンが多いです。

・ベリー
ベリーは夏から初秋にかけてエストニアの森でたくさん採れます。それはもう、スーパーの前で森で採れたベリーをバケツに入れて販売している場面も季節の風物詩のような光景を目にします。
また、森にいくと、ブルーベリー、リンゴンベリー、ムーンベリーなど、様々なベリーを収穫できます。森は国民の共有財産のため、自由に採ることができます。ベリーではジャムやジュースに調理し、瓶に詰めて採れない時期も楽しみます。ですので、エストニア人のパントリーにはたくさんの瓶詰めがあります。

・きのこ
きのこも初秋に森でたくさん採れます。そしてベリーと同じようにスーパーやマーケットでたくさんのきのこを目にすることができます。森の恵みは新鮮なうちにソテーにしていただくのがベストですが、長期保存のためにピクルスとして保存することも多々あります。また、最近ではきのこをパウダー状にするなど様々なきのこの食べ方が行われています。
日本では珍しい杏茸はエストニアでは人気で初秋の食卓には欠かせない食材です。

上記のような要素がエストニア料理を構成する主な食材であります。この他りんご、豚肉、ニシンなどもあります。

エストニア料理とは、
エストニアで収穫できる「自然の恵み」
過去の侵略の歴史による「食文化の残留」
この要素が大きく反映されているものがエストニア料理といわれているものではないかと理解します。
エストニア料理は実はないのではないかと思われているふしもありますが、ドイツ、スウェーデン、ソ連の支配下に置かれ、翻弄されたエストニア人たちが、その時の支配していた国々に順応するために食文化も合わせて取り入れてきたと思ってなりません。
歴史と自然環境が合わさって今のエストニアの食文化が形成されていると考えます。


遠慮がちな国民性のエストニア人が「エストニア料理って一体なんだろう?」と聴いてきた時には、「エストニアは過去の歴史の食文化を取り入れてきた強さのある料理です」と、尊敬の念を込めてエストニア人の方に回答しているのです。
ぜひ、エストニアに行かれた時には、この歴史的な影響を想いながら召し上がっていただくと、別の形で味わいが増すのではないでしょうか。



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