Eesti Piimandusmuuseum(エストニア牛乳博物館)に行ってきました

Eesti Piimandusmuuseum(エストニア牛乳博物館)に行ってきました

エストニアの食材でなくてはならない牛乳。

先日も、「エストニア料理とは、なにか?」というページでも話題に上がりましたが、牛乳はエストニア料理には必要なものなのです。
牛乳から派生して、バター、生クリーム、チーズ、サワークリーム、カッテージチーズ、ヨーグルトなどに変化していきますが、もともとは全て「牛乳」です。

エストニアのスーパーに行くと、びっくりするほど本当に数多くの種類の乳製品が陳列されております。人口が少ないということも考え、どれだけ乳製品を摂取するんだろうかと店の中で考えてしまいました。実際食卓にも乳製品は多く、「デザートにしますか」となると、大抵カッテージチーズ入りのヨーグルト(ダブルで乳製品)、ジャムがのせられたチーズケーキ、ケーキやパンにはもちろんバターが入っています。
乳製品は日本と比べると格段に安く、手軽に使える材料ですので、みなさん贅沢に家庭でも使います。(日本はだいぶ高くなってしまいましたね)
少し街から離れると牛がのんびり草を食んでいる光景がすぐ目に入ります。エストニアでは牛のいる光景は日常の一片です。

さて、上記のようなエストニアの乳製品事情ですが、エストニアにはEesti Piimandusmuuseum(牛乳博物館)があると渡航前から実は調査して発見しておりました。牛乳博物館は気になっていたものの、タリンとタルトゥの間にあるため、レンタカーがないとなるとバスで向かうしかありません。
そのため、訪問に躊躇しておりましたが、Olustvere(オルストベレ)という場所のフードイベントで、偶然エストニア牛乳博物館のTiinaさんに出会い、急遽行くことに決めました。
牛乳博物館の近くのバス停まで来たら自家用車でお出迎えしてくれるということ。滅多に行けない場所ですから、このご厚意に甘えない訳にいかないと思い、ずうずうしくもお願いすることにしました。(これは特別なサービスかと思いますので、全員の方ができるとは限りませんのであしからず)
実際、行った当日は心強いTiinaさんが案内をしてくれたため、安心して見学できましたが、道中に「こんなところにくる外国人去年アメリカ人が一人来たくらいですからね。クレイジーだわ。」と言われ、爆笑しながらたどり着きました。

牛乳博物館の場所はこちらです。(Google Mapのリンクです)

公共の交通機関(Google Mapにて調べ)
Tallinna BussijaamからPaiaバス停から徒歩17分
Tartu BussijaamからVilijandiバス停で乗り換え、Imavereバス停から徒歩1分

Eesti Piimandusmuuseumの伝道師的なTiina Lippantさん
牛乳から派生する食べ物の分類表

Tiinaさんのお迎えのおかげで、私は無事に目的のEesti Piimandusmuuseumに到着し、早速施設の案内をしてもらいました。
実はこのEesti Piimandusmuuseumは国の施設で、エストニアが独立した時に国の施設になったそうです。このことからもエストニアが乳製品を大事にしていることが伺えます。
1階の展示室では、古いバター製造器具を国内から収集したコレクション、牛乳製造の温泉の浴槽のような大きな桶などが展示されていました。

2階は古い乳製品のパッケージのコレクションです。牛乳、コフケ、バターなどの古い包装です。見る人がみると、「懐かしい」ということになるのでしょうね。小学生時代に三角形の牛乳パックがあったなと、すこし懐かしい気分に浸りました。
こちらも国内から収集されたもので、貴重な資料を後世のためにも保存されているのだなと思いました。

さらに、同じフロアにはソ連時代の牛乳製造部門の事務所が再現されていました。当時の事務所を知る上でかなりリアルでしたので、今の20代の方が見学したらびっくりするかもしれません。

そして、なんと、乳製品を使った調理体験をさせていただきました。Tiinaさんの手慣れたガイドで、たった1時間程度で3品を作ることができました。

キッチンです。手前左側にあるのが100年前のバター製造機です。

1品目はKohuke(コフケ)です。エストニアの手軽なおやつとして有名です。スーパーにたくさんありますが、手作りもできます。甘いカッテージチーズをチョコでコーティングするお菓子です。一般的にミルクチョコレートでコーティングされているKohukeですが自分でつくるなら、ホワイトチョコレートや抹茶チョコレートバージョンのKohukeも作れるんですね。新しいKohukeができますね。ぱらぱらと、カラフルなチョコチップをかけると子供も楽しめます。

2品目はバターです。バターはサワークリームをとにかく一定の速度で混ぜていくのですが、その機械は100年前の機械で作りました。いつもブレンダーで作っていますが、家にこれがあればかなり便利です。(笑)

3品目はカラスクです。カラスクは小麦粉、カッテージチーズ、ベーキングパウダーを使った手軽なエストニアのパンです。みんなが好きなカラスク。朝ごはんでよく食べます。1度目はあまり上手にできなかったということで、二度目にTiinaさんが素早く作り直してくださった徹底ぶり。クッキーのように見えますが、様々な種が入っているパンです。バターをつけていただくのがエストニア流。エストニアのお母さんが作る家庭料理です。

4品目はSõir(スイル)です。牛乳、カッテージチーズを使った熟成しないチーズを作ります。ここまであっという間3品はできているので、びっくりしている間も無く作り始めます。牛乳とカッテージチーズを鍋に入れ、バターと卵を入れてよく混ぜキャラウェイシードを最後に混ぜたら出来上がり。あっという間にチーズが出来上がります。もちもちした食感とあっさりしたチーズの感覚が日本人にも口に合います。

乳製品を使って調理実習までさせてくれる博物館。かなり中身の濃い時間となりました。ここまで丁寧に体験させてもらえる場所は、エストニアでもほとんどないと思います。エストニアのタリン、タルトゥの観光が終わったらエストニア牛乳博物館をおすすめします。
バターのワークショップは6ユーロ(大人/1名)という案内があります。いろいろ作ってみたいという方はぜひ、下記までお問い合わせください。

Eesti Piimandusmuuseum
住所 H. Rebase str. 1, Imavere Järvamaa, Estonia, 72401
email info@piimandusmuuseum.ee



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