Lahemaaでエストニアのワイルドな旅

Lahemaaでエストニアのワイルドな旅

エストニアのLahemaaという場所をご存知ですか ?
エストニアの首都タリンから東に50kmほどの場所に位置する国立公園です。
対岸にはヘルシンキがあります。

タリンから東に約50km

エストニアには5つの国立公園があります。その中のひとつであるLahemaa国立公園はエストニアでは最北にある公園です。
実はLahemaa国立公園の中で暮らしている人々もいるため、普通の家も点在しています。まさに自然と共に暮らしているといったところでしょうか。その昔は公園の中の一部はソ連軍の基地もあったので、一部の軍関係の人しか入ることができなかった場所ということで未開拓の部分が多く、幸か不幸か自然が残る形になりました。

Lahemaaの森

タリンで出会ったTiinaさんから「Lahemaaに行かない?」と誘ってもらい、「Lahemaa?どこだろう?」と事前の予習もほとんどなく、「連れて行ってもらえるなら、どこまでもついていきます!」という勢いでお世話になることになりました。バスを乗り継ぎ、近くのPalmse manorというマナーハウスで、Annenhof Puhkemajaという宿泊施設とネイチャーガイドをされているご主人と待ち合わせして、車で移動します。
このご主人はLahemaaのことなら任せてくれ!というなんでもご存知のネイチャーガイドさんです。

「エストニアに行って森に行って自然を満喫したい。」という方はたくさんいらっしゃいますが、相手は自然ですので、全く知らない人が観光客だけで森に入るのはあまりに危険です。
プロのネイチャーガイドと行くのが賢明です。森には食べると毒で死んでしまうようなきのこや、ベリーに似た赤く美しい実が人間の欲を試し続けます。
ネイチャーガイドがいると「この真っ赤で美味しそうなものは絶対食べないでね。」と、長年の経験から危険な植物から守ってくれたり、「このハーブの葉っぱは採って乾燥するとお茶にして飲むと健康にいいんですよね。」というアドバイスをいただくことができます。

Lahemaaのことならなんでも知っているネイチャーガイドさん、ワイルドで素敵な方です。
Lahemaaの森で収穫したきのこ(食べて良し)
そこらじゅうに生えていたので採りまくりました

私が行った時期は9月の上旬。9月1日から新学期で、エストニアはお仕事モード。日本の4月の感覚です。
森はこの時期は収穫に最高だと思います。きのこはそこらじゅうに生えており、ネイチャーガイドはどのきのこがどこにあるかまで把握しています。

きのこを入れるカゴを持って森の中を移動中

Lahemaa国立公園の中に暮らす家にお邪魔しました。エストニアの南のSeto地方の昔の建物を移築した家に暮らしていらっしゃいます。
この時はまだ家に水道がなく、まさにワイルドな生活をされていましたが、この翌週から水道が開通するとのことでした。

Seto地方から移築した家

我々はこの家の先の森からベリーときのこをたっぷり収穫し、ネイチャーガイドさんが釣られた魚をいただきました。

きのこは崩れやすいためカゴで集めるのがベスト
魚を捌き、火を起こすワイルドなランチ

近くの海から取れた魚ときのこ、購入したパンと一緒にいただきます。まさに採ってその場でシンプルにいただくのがエストニアの森の生活です。

森のきのこをバターソテーした料理と採りたてのベリー
鉢の巣箱
川で獲った八つ目ウナギを焼きます

蜂の巣箱はエストニアの普通の家庭で持っています。近所の人に分けたり、時にはマーケットで販売もしています。エストニアの場合人口密度が低いので、一般家庭で蜂を飼うことも可能なんだと思います。今年初めて蜂蜜を収穫したという友人もいて、近所の方と一緒に作っていました。隣に誰が住んでいるかわからないということはこの森の中ではなく、物々交換などでお互いの生活を支える場合があります。

庭に突如として庭に生えるきのこ(食用可能)

夏から初秋にかけての森はきのこ、ベリーなどの恵みがふんだんにあります。これらを収穫し、きのこは酢漬け、ベリーはジュースやジャムに調理して長期保存をします。10月からやってくる本格的な冬を過ごすために北国の人々が見出した生存手段です。
家には保管庫が必ずあり、そこに瓶詰めにしたものがたくさん積まれていて、6月までは秋に収穫したものをいただきます。
エストニアでいただくジャムが美味しいのは森で収穫した天然のベリーだからかもしれません。

猫さんが母屋を案内してくれます

タリン行きのバスがなくなる前まで奥様が作る美味しいディナーをご馳走になりました。オーナー夫妻、お子様が4人のご家族に、宿も経営されているので近くの工事で出張されてきているお客様と賑やかな食卓を囲みました。

どういう過程で食べ物を得るか、自分が経験する。森に住む子供たちは大人の生活を見て大きくなるとできるようになる。自然と人が近い距離にある。
ここ数年世界的には「オーガニック」「エコ」というキーワードで販売されている商品は多くなってまいりましたが、本当のオーガニックを見た気がしました。Lahemaa国立公園のワイルドな生活は自然を大事にしながら共に生活をしている貴重な経験をすることができます。



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