エストニア映画 私と同じ顔の、おじさん(原題:Minu näoga onu)

エストニア映画 私と同じ顔の、おじさん(原題:Minu näoga onu)

EUフィルムデーズ2018が始まり、5/26初日にエストニア映画の「私と同じ顔の、おじさん」が公開されました。エストニア映画は実は初めての経験で、非常に気になっていたところでした。
今年16年目のEUフィルムデーズ2018はEU加盟国が製作した映画を一堂に会し、ヨーロッパそれぞれの映画を上映するというイベントです。このイベントの「映画で旅するヨーロッパ」というテーマにもある通り、日本にいながら、ヨーロッパの映画を満喫できる、まるでヨーロッパ中を旅するような映画のイベントです。ハリウッド映画のように多くの映画館で見る機会が少ない映画ばかりが集まっていますので、エストニアに限らず他の貴重な映画を見られるありがたいイベントです。

映画「私と同じ顔の、おじさん」の内容は誰でも明日にでも起こりうる、私たちにとって身近なストーリーです。どの国でも少子高齢化、核家族化の悩みはあり、40代になると自分を含め友人の中でもこの問題で悩んでいる人はいるのではないかと思います。世代の違う親子が、生活を共にする問題や関係を如実に表現していました。時にはシリアスに、また時には面白おかしい内容となって、淡々としたストーリーの中に飽きさせない工夫を感じました。また、パルヌ付近で撮影されたという主人公の家と海辺の景色はとても綺麗でした。
職業柄といいますか、やはり映画に出てくる料理がとても気になりました。マスを丸ごとホイル焼きしている料理が出てきて、レシピを教えてもらいたいと密かに思いました。色が鮮やかでした。

上映後、アンドレス・マイミック監督、主演俳優が直接観客の質問に答えてくれる時間があり、実に贅沢で有意義な映画のイベントでした。
その中でも監督の「友人なら選べる人間関係でも、親子親戚は選べない。その関係の複雑さを表した映画です。」この言葉がこの映画のもっとも大きなテーマなのかなと思いました。
けっこうな確率でそう思っている方もいらっしゃるのではないかと思いました。「血縁があるほどややこしい」

この映画の父親役をしている俳優のローマン・バスキンは、父母共に有名な俳優とコメディアンの芸能一家に育ち、エストニアではこの一家を知らない人はないそうです。父と母が有名すぎて、ご本人はポジションを確立するまで苦労したというエピソードはあるようです。



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