第1回エストニアの黒パン(LEIB)の食べ比べ

第1回エストニアの黒パン(LEIB)の食べ比べ

ずっと行いたかったのですが、日本ではエストニアの黒パンは輸入されていませんので、なかなかその機会に恵まれませんでした。

ラッキーなことに8種類のエストニアの黒パン(leib)を侍に買って持ってきてもらえました。

エストニアに旅行に行かれる方がよく言われるのが、「エストニアの黒パンが美味しかったです。」「黒パンは酸っぱい印象でなかなか好きになれなかったけれど、エストニアの黒パンはそのイメージを覆すものになりました。」という感想です。
私も実は黒パンというと酸っぱくて硬いパンというイメージがありましたが、エストニアの黒パンに出会い、黒パンのイメージが変わりました。

黒パンとはなんぞやですが、ライ麦を使って焼くパンのことです。小麦粉と違い、ライ麦で焼くパンは茶色っぽい色になるため、小麦粉のパンを白パン(エストニア語ではsai)に対して、ライ麦は黒パン(エストニア語ではleib/レイブ)と呼びます。エストニアでは、黒パンは主にお食事としていただくもの。白いパン(sai)はお菓子のカテゴリーとして考えられているようです。
黒パン、ライ麦パンについては、Wikiにもありますので、ご参照ください。

黒パン(leib)はエストニアになくてはならない食べ物で、日本の味噌汁やご飯に匹敵するものではないかと思います。時にはスープなどお料理に添えられたり、オープンサンドといって、薄く切った黒パンを野菜、チーズ、ペースト、ハム等様々な食材を乗せて一緒にいただきます。

黒パンとひとことで言っても様々な味があります。
エストニアでは黒パンを家で焼く人もいます。その家、人の味がありますし、それぞれ好みがあるので、たくさんの種類の黒パンが販売されています。エストニアの黒パン。どこで買えるのか?
日本と同様ですが、観光客がよく行くような空港、スーパーやコンビニ、カフェ、レストラン、パン屋にあります。

カフェ、レストランやパン屋にはそのお店のオリジナルのパンが販売されているので、必ず同じ黒パンがあるかどうかということはわかりません。
一度レストランで出た美味しすぎて、余った黒パンを持ち帰りさせてもらったことがあります。レストランで食べきれなくなってしまったら、お店の方にお持ち帰りしてもよいかを確認しても良いですね。

旅に行かれた際に、食べ比べして自分のベスト黒パンを探すのが一番よいと思いますが、旅の間にパンだけ食べているわけにはいかないので、このレポートが参考になれば嬉しいです。

今回はエストニアで見つけやすいパンを選んできましたので、立ち寄ったスーパーや空港で購入できそうな商品です。
私だけで試食するのも好みに偏ってしまうため、合計4人で試食しながら、日本人がエストニアに行って、持ちかえりたい黒パン(leib)を基準としてかんがえてまいります。

黒パン有識者メンバー
黒パン好きで北欧のライ麦パンを自家製酵母で作り続けているYOKOHAMA Cocotto主宰のまりあさん、エストニアの生はちみつ”メヴェダ”を輸入されている株式会社ラウダの宮井社長、自家製酵母で様々なパンを作りながら、錦糸町でパンやお菓子を教えてらっしゃるPomme’s KitchenのYukoさんの3名をお呼びして、「第1回黒パン有識者(笑)会議」を開催いたしました。

さすが、有識者のみなさん今回の黒パン会議に事前に手作り黒パン、スコーン、はちみつなどご持参くださいました。

以下は今回実食したエストニアの黒パンは下記です。
《実食したパン8品》

1. Muhu leib 
Muhu leibはムフ島のパン屋さんです。ムフ島からどんどん全国に進出し、今ではスーパーや空港、お土産屋さんなどでも見ることができるメーカーで、今ではエストニアの黒パンといえば観光客に人気のMuhu leibとも言えそうです。
こちらのパンは、1本丸ごと袋に入っています。カステラのような香ばしい匂いがします。スライスされていないので、もし凍らせる時には5ミリから8ミリほどの厚さにスライスしてから冷凍保存されるのがおすすめです。

まりあ(以下ま):かなり甘めで、これだけで何もつけず食べられます。初心者向きで親しみやすい感じがします。そのまま食べるか、バターを塗るかシンプルな食べ方がおすすめです。
宮井(以下宮):種の量のバランスが良し、食感が良いですね。
ゆうこ(以下ゆ):食べやすいパン。酸味が少ない。食べる全員が「おいしい」と言うパンだと思います。

まとめ
「一様に食べやすい。初心者向きですね。」というコメントを残していました。この後有識者は黒パンの沼にはまっていきました。Muhu leibは他にもいろいろなバリエーションがあるので、今後もぜひ試してみたいところです。

2. Fazer MUST 
Fazerはフィンランドの会社で、もともとは小さなパン屋さんとお菓子屋さんが結婚したというところから、設立された会社です。現在は北欧を中心にバルト三国にも進出しております。日本で言うところのヤマザキのような会社かなと思います。
こちらは、バンズ型でして、平べったいバンズが4つ入っています。何かを挟んで食べるもよし、そのまま何かを塗って一枚ずつ上下バラバラにいただくもよしの便利な商品です。

ま: 甘みが最初に来て最後にさっぱりする感じです。
宮:主張が少ないとおもいます。
ゆ:パンが柔らかいです。バンズの形なので、挟む食材を邪魔しない感じです。種はあるのに種の存在があまり感じられないです。

まとめ
味が薄めというコメントが集まりました。この薄めというのはサンドした素材の味を邪魔しないようにしているためではないかという考察です。バンズなので、ハンバーガーのように肉や魚と野菜をたくさん挟んで食べてみたいなと思います。

3. eesti pagar must 
eesti pagarはエストニアの中で最大のパンメーカーです。風車のロゴがかわいいですね。現在は40%のシェアを持っています。
厚さは8ミリほどにスライスされており、比較的小さいサイズです。色が黒めです。少なめで小さめなので、一人暮らしなど家族が少ない場合には便利なサイズです。

ま:種がないタイプですね。酸味があるけども嫌な酸味ではない
宮:ダントツの酸味、食感がしっかりしています。
ゆ:酸っぱいのが好きなので、食べやすく感じます。

まとめ
黒パンの特徴である酸味が出た商品でした。酸っぱいのが好きな人はこの商品がおすすめです。

4. eesti pagar Rehe 
外側に種が付いており、外観はかなり特徴的です。こちらはReheというシリーズのパンです。Reheのシリーズでも種が付いていない商品もあります。
Reheシリーズを購入して、現在6台のサウナと50本のタオルが当たるキャンペーンをしています。サウナ!

ま:甘みが控えめで、お料理と合いますね。派手なんだけど、遊ぶならこの娘とかな?とそんな感じですね。
宮:食感がしっかりしていて、黒パンを楽しむ感じがします。
ゆ:種の歯ごたえがあって、アクセントになっています。バターをつけると美味しくなります。ぷちっとしていて食感が楽しめます。

まとめ
種がぷちぷちしているので、食感を楽しみたい人はぜひ購入していただきたい品です。

5. Leibur Rukkileib 
Leiburは1762年設立され、エストニアで一番歴史のあるパンの会社です。国内シェアは約30%です。ロゴが食パンをもじっており、面白いですね。
前出の4品と比べると、色が薄いです。(ライ麦パンとして、自然な色かもしれません)スライスされています。

ま:3のeesti pagar must と似ていますね。バター、きゅうり、塩を乗せて食べると美味しいと思いますよ〜。(やってみる)

宮:一番さっぱりしているな・・・と思いきや、最後黒パンの味が来ました。
ゆ:最初に香りをかいだら酸味が来て、最後にきゅっと酸っぱい

まとめ
後味の酸味が強いタイプですね。このタイプははちみつをつけると味が変わっていく楽しみがあります。

6. eesti pagar MUST jassy 
こちらも小さめのサイズで、家族が少ない人にはおすすめの量です。種がかなり多く入っており、エストニアの黒パンらしい形をしています。

ま: 気を抜いていたら、甘くないケーキを食べている感じになりますね。
宮: 2のFazer mustと似ていますね。
ゆ:ココアの味と、味噌が入っている感じがしますね〜。少し日本を感じます。

まとめ
甘さ控えめな黒パンですね。ココアの味が強く出ていました。こちらも一緒にいただく食材の味が引き立つおとなしめの味です。

7. Fazer must leib 
大きめの丸いパンという感じです。上に少し粉がかかっています。スライス済みです。パッケージが独立100周年のロゴとエストニアカラーというのがお土産や日本に持ち帰る時に楽しいかもしれません。ここまでで、mustという意味はなんだろうか?という疑問がわいてきまして、調べてみると「黒」という意味でした。意味としては「黒のパン」ということなんでしょうね。確かに黒いです。

ま:柔らかいですね。こないだ食べたウクライナのパンに似ていますよ。
宮:食べやすい!日本人の好きそうな食感です。種の感じがないので、種が嫌いな人も良いと思います。ヘルシーな黒糖蒸しパンのような雰囲気ありますね。
ゆ:すごい食べやすいですね。黒糖が入っている感じ。しっとりしています。

まとめ
全員が一致して「食べやすい」「日本人が好きそうな食感」というコメント。かくいう私は15個買ってきてほしいと家でのたまりました。一番色としては黒い感じがしました。

8. Leibur TALINNA PEENLEIB 
かなり他のパンと比べると色が明るいです。
比較的大きなパンですが8ミリほどにスライスされています。香りはほんのりキャラウェイシードが入っています。製品名の「TALLINNA PEEN LEIB」とはタリンの細かい粉/上質な黒パンという意味です。ジャケ買い的に購入もいいと思います。

ま:一番白い色ですね。キャラウェイシードがはいってますよね。
宮:初めて食べます。これキャラウェイシードっていうんですか?
ゆ:キャラウェイシードの香りが引き立っていますね。はちみつをつけるとより楽しめますね。

まとめ
キャラウェイシードはエストニアの黒パンでは欠かせないスパイスです。すこしスーッとする感じがしますが、手作りのパンの中にはこのスパイスを入れているパターンが多いですので、エストニアのお土産としては面白いかもしれませんね。

今回は、8種類を紹介いたしました。この中からエストニアから10時間以上かけて持って帰りたい黒パン(leib)を1位から3位まで決めることになりました。

お持ち帰りおすすめleibランキング
まりあさん
1位 7. Fazer must leib 
2位    1. Muhu leib
3位 2. Fazer must

ゆうこさん
1位    4. eesti pagar Rehe
2位 7. Fazer must leib
3位    2. Fazer must

宮井さん
1位 1. Muhu leib
2位 7. Fazer must leib
3位 3. eesti pagar must

エストニア料理屋さん
1位 7. Fazer must leib
2位    6. eesti pagar MUST jassy
3位 1. Muhu leib

味覚に個人差がありますので、優劣はつけがたいですが、今回4人で行った会議では、7のFazer must leibは必ず持って帰りたいリストに入っていました。また1のMuhu leibはエストニア関係のかたには非常に有名で、いつもお持ち帰りされているかたが多いかと思いますが、例に漏れず3名が選んでいました。
ぜひ、エストニアに行かれた際は、あなたの好きな黒パンを見つけてみてくださいね。
またこれ以外の種類が増えたら、第2回黒パン有識者会議を開きたいと思います。

ご自身でエストニアの100%ライ麦粉のライ麦パンを作りたいなという方は、こちらにてライ麦パン作れるレシピ、動画などキットなど販売しておりますので、ご覧くださいませ。(2020年6月4日更新)



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です