エストニア手芸の巨匠 (アヌ・ラウドさんのアトリエ)

エストニア手芸の巨匠 (アヌ・ラウドさんのアトリエ)

アヌさんと聴いて、ピンとくる方は手芸が好きな方またはよくエストニアをご存知な方かと思います。
前回のヘイムタリ美術館を創設したご本人アヌ・ラウドさんにお会いする機会がありました。
ヘイムタリ美術館を後にするときに、運転手の私以外全員エストニア人のため、エストニア語で学芸員さんとなんやかんやと話が盛り上がっており、その後美術館を出るときに車になぜか学芸員さんまで同乗しました。
どういうことだろうと思っていたところ、「アヌ・ラウドさんのアトリエに連れて行ってくれる!」と・・・

案内されるがまま細い道を行くと、すぐにアヌ・ラウドさんのアトリエに到着しました。
日本で販売されている「アヌ&アヌの動物ニット」という本の題名から、アヌさんはずっとアヌ姉妹と思っていましたが、よくよく考えてみるとアヌさんは下のお名前なので、たまたまのお名前一緒チームということですね。(知識が足りなくてすみません)
アヌ・ラウドさんは、エストニア国内でもとても有名なタペストリーアーティストです。アヌ・コトゥリさんは動物の編みぐるみを作成されています。
もともとアヌ・ラウドさんがエストニアのおもちゃがあまりにもレベルが低いと感じ、子供のために編みぐるみを作ろうと発案されたということが本にありました。
アヌ・ラウドさんのアトリエが下の建物です。

アヌ・ラウドさんのアトリエ

アヌ・ラウドさんのご自宅兼アトリエは緑豊かな郊外にあり、芝生が綺麗に刈り取られ、素敵な庭がありました。素晴らしい環境で作品製作をされていました。家の向こうにはヤギの子供たちがいました。のどかな場所です。

さて、アトリエの中には早速大きな作品がありました。製作途中で今年の2月から4人がかりで約半年作った状態だそうです。(撮影当時7月中旬)5年に一度の歌と踊りの祭典のために依頼を受けて作られているとのことでした。女性が履いているスカートの柄が抽象化されている作品であります。真っ青な空、ブラウスに思える白、男性の帽子の黒がまさにエストニアカラー。

すべての作品には下書きがあり、それに基づいて作品が製作されます。まさに設計図が横にあり、忠実に再現されています。また、それぞれ詩もあり、詠んでくださりました。インスタグラムに動画を載せております。
https://www.instagram.com/p/B1rzA49lrSt/

まさかのアヌ・ラウドさん自らご説明中

ご自身の作品をどんどんご紹介してくださりました。エストニア語で盛り上がっていたので、内容ほぼ聞き取れず・・・笑
ですが、エストニアの70以上の方々まで目をキラキラにしてお話を伺っていたので、本当にエストニアの有名な方なんだなと思いました。

ご自身の作品をどんどんと見せてくださります。かなりの作品はもうご自身の手を離れているのでそれでも数少ないそうです。今回見せていただいたのは、タルトゥにあるナショナルミュージアムで展示された作品がほとんどです。このレポートは北欧ジャーナリストの森百合子さんが詳しく語られていますのでこちらをご覧ください。

手袋、犬、靴下、アイスホッケー何に見えるかはご自身のイマジネーションにおまかせとのこと

作品がどれもあったかい気持ちになります。色使いやモチーフそして素材ももちろんですが、お人柄が反映されていたり、エストニアの自然と共に暮らしているという環境なのかと思いました。
今回アヌ・ラウドさんにお会いして、手芸家というよりも、糸を使ったアーティストという印象が強くなりました。

いつか作ってみたいと思うあみぐるみがありました!尻尾がかわいい。
アヌ・ラウドさん自らお見送りしてくださりました。エストニア人3人が感激しています!!
アヌ・ラウドさん自ら掲げてくださっています。手が見えますよね!!

私たちのような突然の訪問者にも関わらず、貴重な時間なのに丁寧にご対応くださりました。作品もさることながら、お人柄も素晴らしいアヌ・ラウドさんでした。今後もご活躍してくださることと思います。また訪問できたら嬉しいなと思います。
我々がご本人にお会いできたのは、たまたまラッキーだったのかもしれませんが、こういう、すごく有名な方とも普通に触れ合うことができるというのがエストニアの良さだったりするのかなと思います。

アヌさんが設立されたヘイムタリ美術館についての記事はこちらです。



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