エストニアの赤い宝石・Kihnu島〜Räime Leib(ニシンのライ麦パン)編〜

エストニアの赤い宝石・Kihnu島〜Räime Leib(ニシンのライ麦パン)編〜

離島と聴くと嬉しくなる性分なのです。私の住む東京にも離島があり、大島はじめ、新島、式根島、神津島はこれまで制覇しました。
エストニアにも離島があり、かなり小さい島に行ってまいりました。小さい島ほど気分はワクワクします。
Kihnu島(キフヌorキヒヌと日本語では書きますが、キフヌ島とここでは統一します)という島はエストニアの西、バルト海上にある7kmx3.3kmの小さな島です。

赤いピンの先がキフヌ島です(Google Mapから引用)

8月までは観光シーズンですので、エストニアは夏の便があり、本数が多くなるなど観光に便利に調整されています。夏はパルヌというエストニア第三の都市の街からキフヌ島行きが出ているそうです。
私が行ったのは9月末、シーズンオフの時期ですので、観光客もいない代わりにパルヌからの船もありません。パルヌからバスでMunalaiu(ムナライウ)という場所まで1時間半ほど行った港経由で、キフヌ島に1時間かけて行きます。
ここまででも、ため息が出るほどの道のりですが、キフヌ島にこうまでしても行く必要がありました。

ことは9月初めにタリン郊外にある野外博物館(Rocca al Mare)のLeiva Paev(ライ麦パンの日)というイベントが行われていた日に、キフヌ島から来られていたMaie Aavさんにお会いしたところから始まります。
キフヌ島のライ麦パン(leib)は独特で魚が入っているという話をMaieさんから伺いました。エストニアのライ麦パンは数々食べてきたものの、魚の入っているライ麦パンをいただいたことはありませんでした。
Maieさんにキフヌ島で島独特の魚入りのパンと料理を習いたいと話すと、快く対応してくださることになりました。

上記の通り、キフヌ島まで行くにはパルヌまで行きますが、あいにくキフヌに宿泊する時間がなかったため、日帰りの予定で船の時間を考えるとパルヌで前泊する必要がありました。

パルヌに前泊する日は実はEesti Piimandumuuseum(エストニア牛乳博物館)のTiinaさんに博物館から送ってくださるという奇跡の親切で、公共交通機関を使わずにパルヌまで来ることができました。
この後にキフヌ島で起こる数々の奇跡的な親切を知ることもなく・・・

エストニアのフェリーには何度か乗りましたが、いずれも出発したことすらわからないほどの揺れがなく、船酔いという単語すら思い浮かばないほどの平行移動でした。これは、運が良いということに尽きるのか、バルト海の海が全体的に穏やかなのかは最後までわかりませんでした。船内には売店があり、キフヌ島の特産物などありました。1時間の乗船時間にも買い物ができます。

キフヌ島行きのフェリー

船の到着時間と島から離れる時間をMaieさんにお伝えしただけで、7kmx3.3kmの小さな島なので、自転車を借りるか、歩いてもどこにでも行けると思いながら着岸した港から歩を進めると、下船した私を見逃して焦っていたMeieさんがいらっしゃいました。自動車で迎えに来てくれていました。「優しすぎる」
降りてきてくれたMaieさんはタリンで会った時と同じように、赤いスカートに身を包んでいました。魚のライ麦パンがほとんどの目的だった私でしたが、一瞬にして、キフヌ島の赤いスカートに釘付けになりました。

キフヌ島の女性の赤いスカート(お二人のスカートの柄も若干ちがいます)

赤いスカートはキフヌ島の女性は来客があるときに必ず着用する民族衣装です。全てウールの糸で自分で織っているのでかなり厚みがあり、ずっしりと重いスカートです。それぞれ自ら作るので各々が違うスカートの縞柄です。

そんな伝統のスカートを履いたMaieさんの車で早速魚入りのライ麦パン作りとキフヌ料理を学ぶため、Pärnamäe taluまで直行します。オーナーのHeli Nazarovさんが優しく迎えてくださいました。
旦那様が漁師をされており、新鮮な魚をいつでも手に入れることができるので、パルヌのお店にパンやRäime(ニシン)の酢漬けを納めていたり、島を訪れる方の為の宿泊施設があります。

母屋の外観

画像のような広々としたスペースで島の生活があることに羨ましくもありました。早速パン作りを開始します。

大きな木の樽でパンの生地は作ります

見たことのない、脚がついた木の樽に常に酵母が入っており、パンはこの樽で生地が作られていきます。この樽はオーブンなどほんのり暖かい場所に鎮座されており、ほどよい温度でキープされています。

生地を温めるのはブランケットで温度を保持します。丁寧に巻いて発酵を待ちます。

塩漬けのRäim(ニシン)

Räim(ニシン)は島の大事な魚で、この魚を使って多くの料理を作ります。今回は旦那様が漁でとったニシンを使ってパンの中に入れます。塩漬けにして、そのあと水で丁寧に洗います。

生地と塩漬けのニシン(Räime)のライ麦パン(leib)

生地と交互に二重にRäim(ニシン)の塩漬けをのせていきます。

パンの型に入れると形を整え、オーブンに入れるのを待ちます。

約1時間でこんがりと焼けました。2種類作ったので、印を変えています。

スライスしたRäime Leib(ニシンライ麦パン)をいただきました。
パンにはほとんど酸味がなく、柔らかい生地で、かなり食べやすい味です。ニシンが中にはいっているということで、懐かしい味に感じます。何もつけなくてもこのパンだけで食べられます。
エストニアのキフヌ島に行かれた時はこのニシン入りのライ麦パンを購入して召し上がってみるのをおすすめします。

パンと同時に作ったのは、Räime(ニシン)の酢漬けロールです。

下処理したニシンから骨を丁寧に取り出し、丸めて玉ねぎと酢と砂糖を入れた液に漬けるキフヌ島伝統の食べ物です。

見よう見まねで作りましたが、作るのが楽しい作業でした。日持ちは2週間ほど。どこかでこのパッケージを見たらぜひ、手に取ってみてください。黒パンやお酒のお供にもぴったりです。
また、肉ばかりの料理が続いた時には日本のどこかの料理にもありそうな味付けに懐かしさを感じることと思います。

普段はお料理教室ではなく、宿泊施設として営業されています。素敵な環境ですのでキフヌ島へ行かれる際にぜひご一考を。
Pärnamäe talu
88003 Linaküla, Pärnumaa, Estonia
Kihnu vald, Linaküla, Pärnamäe talu

Pärnamäe taluのキフヌ島での位置

次はキフヌ島のKihnu博物館編です。お楽しみに!



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です