北欧最大のフォークフェスに行ってきました

北欧最大のフォークフェスに行ってきました

北欧最大のフェス
エストニアの夏のイベントはたくさんあれど、国民の誰もが知っているフェスティバルがあります。


ヴィリヤンディという街で毎年開催されるフォークフェスティバルその名も、「ヴィリヤンディフォークミュージックフェスティバル」です。
このフェスは出演アーティストはエストニアに止まらず、世界中からフォークソングミュージシャンが招聘され、観客も世界から訪れるもはや、北欧、いや世界的イベントになりつつあります。ヴィリヤンディの人口は2万人に若干満たない程度ですが、このフェスティバルにヴィリヤンディの人口をしのぐ2万5千人以上が訪れるということから、このフェスティバルがどれだけ大きいものか理解いただけるでしょう。

いちごがトレードマーク
ヴィリヤンディは人口約2万人。エストニアの第二の都市のタルトゥと第四の都市パルヌの間に位置する街です。ヴィリヤンディには大きなマスコットがあります。それは「いちご」です。1965年にポール・コンダス(Paul Kondas)というヴィリヤンディ出身の芸術家によって描かれた「Strawberry eaters」という絵で、いちごが街の象徴になったのです。彼は1985年に亡くなっていますが、ヴィリヤンディに行けば、コンダスセンターヴィリヤンディ博物館で彼の作品を目にすることができます。

ヴィリヤンディのトレードマーク「大きないちご」街には8つある

長い歴史のフェス
そんな街の象徴であるいちごを発見するのを楽しみに、ヴィリヤンディ城跡の周辺の会場を目指します。1993年に始まったイベントは毎年7月最終週の4日間で開催されます。2020年に一度コロナ禍のため中止となりましたが、コロナを乗り越えその後は再開しています。筆者はラッキーなことにエストニアに開催のタイミングで滞在していたので、またとない機会と参加しました。

今回は日本の皆さんにヴィリヤンディフォークフェスの全貌をご紹介するため、特別にプレス枠で入場いたしましたので、思う存分写真を撮ることができました。

泊まりがけでも日帰りでも楽しめる
根っから野外ライブ好き、フォークソング好きなコアなファンは4日全日来場するのが良いと思います。今年のチケットについてはこちら。4日間ミュージシャンの生のライブを浴びるのはなかなかない時間です。会場はいくつかに分かれ、屋外、屋内があります。休みなく会場を渡り歩き音楽のシャワーを浴びる場合は非常に忙しくなります。ヴィリヤンディのお城の跡を会場にしているので、城の城壁が残る場所を背にステージが存在するという壮大な光景は目に焼き付きます。

城壁が印象的な会場

じっくり楽しむ場合に気をつけることは、レンタカーがない場合は会場近くの宿泊を確保する必要があります。ライブは夜まで続くため、最後のライブまで聴いてからですと野宿する羽目になります。(野宿はやめてくださいね!)
先に申した通り、ヴィリヤンディの人口を考えるとイベント時の宿泊施設は圧倒的に不足してます。かなり前から予約が埋まっていることがありますので、前年から宿を予約することを覚悟してください。
夜通し聴かなくても我慢できる方は、日帰りも一つの方法です。ヴィリヤンディからタルトゥまでバスに乗ると大体1時間少し、パルヌまでは1時間かからない程度で到着します。
最終便のバスを事前にチェックして早めに予約を取るのをお勧めします。筆者は夜9時15分のタルトゥ行きのバスに予約しましたので、タルトゥに宿がある場合は夜8時半ごろまでは現地で楽しむことができます。朝は早くからバスの便もありますので、「通勤」のような感じで行くことも問題ないと思います。また、この時期はエストニアの日照時間は長いので、遅い帰りでも明るく危険はないと思います。

ライブフード
お腹が空いたら戦はできないと思いますが、ヴィリヤンディのバスターミナルの近くにはSELVERという大きなスーパーがあり、飲み物、パンやスナック、ちょっとしたお惣菜を購入することも可能です。そして、エストニアの各地から美味しいフェスフードが並んでいます。かなりのお店の数があるので、ライブ会場に到着する前にそこで時間を費やす恐れのある場所です。寿司、カレー、ピザ、アイスクリーム、中東のパンなど国際色豊かな食べ物が販売されていました。毎年出店者が変わるので、楽しみに行くことができます。


ライブ会場の近くにはシーバックソーンというヘルシージュースが販売されていました。日本人には馴染みがありませんが、ビタミンたっぷりのスーパーフードとして現地では人気のあるジュースです。ぜひ試してみたいところです。

シーバックソーンのドリンク

デポジット返金
一部の店舗ではお皿やコップをデポジット付きで貸与します。そして、食べ終わったら戻すと返金されるというシステムがありました。シーバックソーンのドリンクは直接出店者から2ユーロ返金され、カレーを頼んだ時にはクレジットカードに返金されました。ゴミが発生しない工夫ですね。

子供が楽しめるイベント
子供はじっとしているのが苦手です。大人がライブに興じている時に、ワークショップや砂場で子供が退屈しないように遊ぶスペースがあります。レクリエーションイベントも会場では賑わっていました。

国民的有名ミュージシャンにも会える会場
個人的に日本の野外フェスはお客さんがぎっしり、というイメージがありますが、エストニアはその趣とは全く異なっています。ライブ会場でシートを敷いて、ピクニックのような形でランチをしたり、ビールを飲んだり寝転んだりしています。緑の中で生の演奏を浴びるようにリラックスするという夢のような空間が出来上がっていました。

観客はステージの前でリラックスしている

ライブが終わったら次の会場に観客は大移動しますが、その場合ものんびり城を巡りながらスペースを確保しています。
ちなみに2022年7月ではマスクをしている人は屋外屋内ともに皆無でした。コロナはエストニアでは過去のものになっている感じです。
会場と会場には、若き未来のミュージシャンが音色を奏でています。夏休みの良い想い出になりそうだと微笑ましく眺めていました。

また、ラッキーな場合はライブを終えた有名アーティストとすれ違ったり、気軽にお話しできることもできます。エストニアのSeto地方で歌われている輪唱のセトレーロから独自のスタイルの音楽を発表し続けているZetodのボーカリスト兼ギタリストJalmar Vabarnaさんにバッタリお会いしました。国民的なスターですが、気さくに対応してくださりました。

Zetodのボーカリスト、ギタリストJalmar Vabarnaさん
ステージ下で撮影に応じてくれるAmmuker

何がこのイベントの楽しいところかというと、まずアーティストと観客の距離が圧倒的に近いこと、そして会場で音楽そのものをリラックスして聴くことができる。本来の音楽の味わい方を教えてもらえることができました。

2023年のヴィリヤンディフォークフェスティバルに参加してみたいという方は、Facebookで最新情報をチェックしてくださいね。素晴らしい動画も見ることができます。