バルト三国は北欧か東欧か、それとも?

バルト三国は北欧か東欧か、それとも?

先日SNSでバルト三国の一つの国の名前が上がり、「北欧」として取り上げられていました。
それに異を唱える意見や、揶揄するような反応もありました。たまに持ち上がってくる話題ではあります。その都度私も考える機会を与えられているような気がしています。

「はて、バルト三国は北欧なのか、そうではないのか?」
はっきりしないから、たまにはっきりしたくなるのかもしれないですね。

バルト三国は、歴史的に1991年にソビエト連邦から独立回復をしたという経緯もあり、それまではソビエト連邦の一部として存在していた国々だったため、東側として分類されていたのは自然の流れだと考えられます。「東欧」と言うといわゆる地理的な位置だけではなく、政治的、経済的な意味合いでも「東」という文字を使っているイメージは否定できません。

独立回復後は、エストニア、ラトビア、リトアニアは西側へと政治や経済は一気に舵を切り、30余年すぎた現在は、通貨はユーロ、EUに加盟、シェンゲン協定加盟といういわゆる西側諸国と足並みを揃えました。
そもそも、ソビエト連邦の一部になったきっかけは、自ら進んで連邦の一部になったことではないということから、独立回復後の三国が並々ならぬ努力を行ったからだと感じています。

上記のような事実を認識していたら、バルト三国の人々に「東欧と分類して良いか」と聴くことをためらうと思います。

では、「バルト三国は北欧である」か?

私は実は「北欧」と考えていました。
スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、アイスランド、フィンランドの5カ国が一般的には北欧と定義されています。その中でもスウェーデン、デンマーク、ノルウェーはスカンジナビアとして分けることができます。
2017年からは国連がバルト三国はそれまでの東欧の分類から北欧の分類に変えたからです(その時のニュースです)。ですから、5+3カ国という表現も最近ではたまに目にします。上記に基づくと「バルト三国は北欧である」という見方ができます。

しかしながら、たくさんの異論があると思います。例えば、「地理的に本当に北欧なの?」「エストニアはフィンランドと使用言語も似て民族的にも兄弟とされているほど近いから、エストニアだけは北欧でも良いけど、ラトビア、リトアニアは違うよね」「リトアニアに至っては中欧なのでは?」などなど
賛否両論はあります。

「x欧ではない」「x欧だ」という議論こそ、議論の的になっている当事者としては「ほっといてくれ」となるのだろうなと容易に想像できると考えています。