エストニアで動く唯一の水車ミル Hellenurme Museum(ヘレヌルメ博物館)
エストニア唯一、今でも動く水車を使ったHellenurme(ヘレヌルメ)博物館をご紹介したいと思います。
水力を使ってライ麦粉を作る建物があり、140年ほど前に作られた施設です。
優しい友人たちに連れられて、自動車の助手席に乗っていただけなので、場所の記憶が確かではなかったのですが、改めて確認してみるとタルトゥ(Tartu)とオテッパー(Otepää)間のオテッパーの近くだとわかりました。
この水車博物館は140年ほど前に造られ長く使われずに荒れ放題になっていたそうです。
Maeさんは、20年ほど前にこの建物を購入し、毎年徐々に修理をしながら水車でミルができるようにしたそうです。現在は国内や海外の観光客が訪問し、ワークショップなどを開催しています。友人はこの建物で誕生日パーティーを開催したそうです。(エストニア人は誕生日パーティーに力を入れる傾向があります)
既に小学生の子供たちが、ライ麦粉を使ったパンを作っていました。
大人の私たち4人も加わり一緒にパンを作ります。エストニアのライ麦パンは主食でもありますので、小さな頃からライ麦パンについて学んでいるんだと思います。
我々が通常購入したり、作るライ麦パンは、糖分、ナッツ、シーズやドライフルーツを入れて甘みを出しています。Maeさんと作るライ麦パンは、ライ麦で作った酵母から作る伝統的なパンの作り方です。水車ミルで粉にしたライ麦粉を使っています。
伝統的な手法でパンを焼くので、日本人にとっては、若干食べにくいかもしれませんが、ライ麦の味が存分に感じられる昔のエストニアのライ麦パンを味わうことができます。ライ麦100%なので、酸味があります。
この酸味と味のバランスの合う、濃厚でクリーミーな味がエストニア料理に多いのかと考えられます。
エストニア人でも、古典的なパンの味が好きな人もいます。連れて行ってくれた友人は、Maeさんが作られるパンをたくさん購入していました。
パンを作ったあとは、建物内の見学です。どんな動力で粉を粉砕するのか説明を詳細にしてくれます。エストニア語の説明でほとんど聞き取れませんでしたが、
手動で一箇所を回すと、その勢いで全てのミルシステムが連動して動き出します。麦からミルになるまでに様々な工程を経て粉状にします。
水車と言う割に、我々がイメージする水車の車輪があるかと思いきや、見えない。実はこの建物の中に車輪が隠れていると言うことでした。以下の画像が車輪だそうです。ずいぶん水車のイメージと違うなぁ。
ライ麦だけでできたパンをいただきながら、エストニアの食文化について考える機会をいただきました。
(猫はオーブンの裏で丸くなります in Estonia)
自動車ではTartuから40分程度で到着します。
Tartu Bus Stationからは時間帯によりますが、2時間前後はかかるイメージです。直行のバスがあるので便利かなと思います。行かれる前には一度連絡されてから行くと良いかもしれません。
日本でもライ麦パンを作ることができます。下のバナーからいつでも作ることができるキット、レシピ、動画視聴の販売をしております。