ずぶの素人が、本を自分で作って売ること

ずぶの素人が、本を自分で作って売ること

2021年10月20日に発売を迎え、2022年1月22日に、著者の持っている在庫はおかげさまで約3ヶ月で全て完売となりました。
当初の予定は3年で売り切る覚悟で印刷をしていましたので、決して個人で売る数量としては少なくはない数でした。
初めは売れるのか売れないかもわからず、さまざまな方からもアドバイスをいただきながら数を決めました。蓋を開けてみたら「印刷数が少なかった」ということになるのかもしれません。これ以上あったら売れたのかというと、速度と販売日数は比例しないので、個人での販売では足りないくらいでちょうど良いという雑感です。
現在は、卸販売させていただきました書店様や雑貨店様などで在庫のあるかぎり、ご販売いただいています。店頭、オンラインの在庫がなくなれば市場から消費者のお手元に渡ったということになります。

自費出版という方法で今回制作販売したのですが、なぜ自費出版かというと、私の理由はひとつ「誰も出版してくれなかった!」というものでした。1年ほどの売り込み活動をしましたが、どこの出版社もやはり「エストニア」「料理」が他に例を見なかったか、私の説明力が低かったかなど複数の理由が考えられます。「北欧」だと売れるんだけどねというお話もありました。
私が書こうとしていた題材からはかけ離れてしまうと考えたのと、「売れる」ように作るためには当然、一見して売りやすい本にしたい、新しい挑戦はリスキーと思うのは現在の出版業界の厳しさからも理解できることです。しかし、そうすると私が書きたい内容は書けないということになります。
ただ、自費出版をする方がメリットがあると考える方は近年は、自費出版を選ぶ方も徐々に多くなっていると思います。

本を出版する理由
出版社が誰も出版してくれなかったら、もちろん諦めるという選択肢もあります。
諦めなかった理由はエストニア料理をワークショップに参加する人に伝えるだけでは足りないと思っていたからです。
より多くの方々に、エストニアやエストニア文化を知ってもらうには、物理的に参加するチャンスに出会える方が難しい方々が多いと思っていたからです。
出版レセプションでも、ヴァイノ・レイナルト駐日エストニア大使がおっしゃっていたのですが、「料理」はその国の文化を知ることができる最も簡単な手段です。
料理はその国の文化や歴史に興味をもつきっかけとなります。実際に私が食べ物を通じてエストニアの歴史や文化を理解することが多かった経験も多くありました。上記のことから、日本人にエストニアを知っていただく材料として本の出版が有効であると考えました。
もう一つは、本を作ることで、世界が広がることです。料理の分野だけではなく、予想しなかったような分野の方からお声がけいただいたり、交流する場所が増えること。結果的にですが、本を作ってよかったと思った理由です。

自費出版のイメージが変わる
一昔前の自費出版というと、おじいさんの私的自叙伝のような内容の本を親戚に配るなどの目的で作っていたというイメージが強かったものの、最近ZINE(小さな冊子、雑誌)を販売している個人の方々もおり、自費出版のイメージも様変わりしています。
こだわった書店や雑貨店に行くと、ZINEなどおしゃれなデザインの表紙の冊子や雑誌が並んでおり、なかなかの金額で売られています。上記のような状況も影響してか、取次を通さずとも、書店や雑貨店が著者から直接お取り扱いをいただいていたのかもしれません。

本の制作と販売
本の制作については千差万別なので、詳細は割愛しますが、大事なのは本の制作には費用がかかるということです。
編集、デザイン、イラスト(必要な場合)、カメラマン(必要な場合)、印刷のプロを手配することができるかということになります。全て自分で出来る方はほとんどいないと思いますが、一部自分で出来る方は費用を抑えるためにご自身で行う場合もあります。
本の仕様、冊数、納期、費用、販売価格など決める必要があり、怒涛の取捨選択の時期を経て本作りが経過していきます。
いつ販売したいかゴールを自分自身で決めて、進めていかないとダラダラしてしまい、売る時期を逃すことになります。
ですから、ある程度の段階で販売日から逆算していくことが必要になります。

販路
販路の開拓は大事なことで、「この店に置いてもらいたいな」という場所があれば積極的にアプローチしました。知り合いの方にご紹介いただいて、本の内容に合ったお店に連れて行っていただいたり、紹介していただくなども非常にありがたいことでした。そういう意味では、誰かに「自分の本」の存在を伝えるということは大事なことです。
また、ある時は思ってもいなかったお店からお声をかけていただくこともあり、ラッキーなこともあるんだなと思いました。
これまでの職種柄、断られることに慣れているので、ある程度の図太さ、度胸も大事な要素なのかとは思いました。

販促
サラリーマン時代は営業職に就いていたためか、私のいた業界では在庫の考え方は、自分の手元を離れただけでは在庫は無くなったと考えておらず、お店から消費者の手元に商品が渡ってから「売れた」という認識です。本の業界についてはよく知らなかったのですが。そうでもないと伺い、実はびっくりしていました。本を作ることが好きな人の方が多いのかもしれないですよね。
私は、書店や雑貨店に自分が出荷したとしても、自分の在庫として考えていました。お店の在庫販売を促進するために、11月以降は積極的に本に関連したワークショップやお店に立たせてもらったり、イベントをお店と企画するなどさせてもらいました。忙しいにもかかわらず、お店が応じてくださりとてもありがたかったです。
あるお店の方は「あれだけ広報やっていれば売れないわけがないよ」や、「こんなに在庫を気にしてくれる人は初めてだよ」という優しい感想を言ってくださる方もいて、正直に受け止めるのであれば優しい業界だなと思いました。

商業出版の場合は、出版会社や取次会社の関係などもあり、著者が自由に販促できること難しいこともあるかと察します。が、今回は自費出版ということで著者が自由に販促活動ができたことは結果的によかったことではないかと思いました。
現在も一部お店には在庫が残っているはずなので、お店から全てお客様に行き渡った時まで、ご迷惑でない限りはお店に在庫を伺ってサポートできればと思っております。


最後に
長々と自分で本を作って売ることについての雑感を書きましたが、もっと詳しく知りたいなという方もいらっしゃることがあれば、
「自費出版をして完売する方法」というような内容でいつかお話しできるようにしておきます。

「旅するエストニア料理レシピ」は電子書籍でも販売されていますので、気になる方は↓こちらからどうぞ。



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